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鉄やアルミ、ステンレス、チタンなどの金属を削って製造されるものは実にさまざま。ねじやパイプといった金属部品や各種製品が作り出されます。

手で削る加工

機械などで加工された部品を、さまざまな種類のヤスリ等を使って精度の高い部品に手仕上げします。製品には±0.001mmという正確な加工精度が求められ、幅広い切削工具の知識が必要になります。機械ではできない加工や調整を人間の手だけで精巧に行うこの技能は、試作品や特注品のような機械化されていない製品の製作などに生かされるほか、機械に不具合が生じた場合でも異常箇所がすぐにわかるので、修理ができます。また、高い技術力や集中力は、ものづくりの原理を理解する「多能工(製造現場において、1人で複数の異なる作業や工程をやりとげられる技能を身につけた技術者)」としてさまざまな生産現場で必要とされる人材になります。

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上の部品を手作業だけで下の部品のように加工します。設計図を見ながらまずは平面加工をし、続いて直角に削ります。精密測定器を使いながら少しずつ加工します。

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さまざまな形や目の粗さのやすりを使い分けます。0.005mm以上の狂いが出ると製品は作動しなくなるので、五感を研ぎ澄ませ、慎重に作業を進めます。

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手わざのみで削った9つの部品を組み立てた装置。ここまでの経験と技術を手に入れるためには、相当な腕力や体力、足腰の力や長年の努力が必要になります。

0.001mmってどんな長さ?

0.001mmを創りだす手わざは、まさに感覚世界です。でも、それってどのくらいの長さなの? わたしたちの身近にあるものと比べてみました。

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機械で削る加工

金属材料を切削加工してさまざまな部品を製作するためには、主に「旋盤」と「フライス盤」という機械を使います。旋盤は削りたい材料を回転させ、その材料よりも硬い材質の刃物をあてて削ることで目的の形にしていく機械で、陶芸などで用いる「ろくろ」に該当します。ろくろでは、回転する粘土にへらなどをあてて粘土を削り取りますが、旋盤では回転する金属材料に対し、へらに該当する「バイト」という削る刃物をあてて削り取ります。主に丸棒の加工の際に使われます。

反対に、フライス盤は削りたい材料よりも硬い材質の刃物を回転させ、そこに材料を接触させることで目的の形にしていく機械。回転する刃物の位置は固定されており、削る材料を移動させて希望の形に加工していきます。主に平面加工で使用されます。

身の回りの金属部品のほとんどは、この旋盤とフライス盤のふたつの機械の機能を組み合わせることで製作できます。

取材協力

野村ユニソン株式会社
各種部品製造から金型製造、ロボット開発、専用機械・医療用機器製造・販売、さらにはワイン製造・販売など幅広い事業展開を行う長野県茅野市の会社です。

野村ユニソン株式会社ウェブサイト

こんな「金属を削る」仕事もあります

アクセサリー作家

「金属を削る仕事」と聞くと“力仕事”というイメージがありますが、繊細なデザインセンスが求められるアクセサリー作家という職業もあります。技術だけでなく、ファッションを引き立たせ人の心をつかむデザイン力や発想力も求められます。

こんな作品が作れます
mauve・山本葵さん

mauve・山本葵さん
/プロフィール

彫金の専門学校を卒業後、メーカーでネックレスの商品企画を行った後、独立して自身のブランド「mauve(モーヴ)」を立ち上げました。自然からインスピレーションを受け、小鳥やリス、花や葉をモチーフにしたアクセサリーをデザインしています。

使うのはこんな道具

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