日本自動車工業会調べによると、日本の自動車の保有台数は7500万台超。日本の人口1億2000万人に対し、車はおよそ2人に1台を所有する時代になってきました。
そんな車社会を支えているのが、全国に約33万人いる「自動車整備士」たちです。整備士の仕事は専門性が必要とされるため、エンジン、ディーゼル、シャッシ(ボディーを除く全ての機構)、二輪に分かれています。整備士たちはそれぞれの分野の装置を点検・整備し、故障箇所を修理して、車の機能を元通りにすることで、車の安全を守っています。
いろいろあります、自動車整備の仕事
自動車の点検・整備といえば、多くの人が車検を思い浮かべるでしょう。しかし、自動車整備工場では車検だけではなく、自動車の安全確保と性能維持のために多くの点検や予防整備も行っています。また、自動車ユーザーには車検と車検の間に行う「1年定期点検」も義務付けられています。最近はクルマの構造が複雑になり、必要な点検・整備が増え、点検内容も複雑化しています。
- 自動車整備士
中村雄一さん
ホンダカース長野中央 - 鉄道車両や建設機械などと異なり、自動車ユーザーは特に整備の知識がなくても日常の乗り物として運転をすることができます。その分、自動車整備のミスはお客様の安全に直結するため、私たちは人の命を預かる仕事だと認識して責任感を持って整備をしています。そして、ひとつひとつの作業に慣れて惰性で作業をしてしまわないように、常に注意を払っています。現在の自動車は昔に比べて壊れにくくなっている分、整備は日々進化しており、ハイブリッドカーや電気自動車の登場に伴い、ハイテク化も進んでいます。メーカーでなければわからないコンピュータ制御・プログラム制御等の知識もあり、整備士には従来のような機械系の点検整備に加えて、制御系の知識も求められています。