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美しい配管って?

 

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空調設備や給湯配管に使われる銅管は「ろうづけ」という方法で接合されます。バーナーで管を熱し、合金(ろう)を溶かして接着剤にすることで、複数の部材を接合させることができます。美しいろうづけができるようになるには長年の訓練と経験が必要になります。

給水管、配水管、ガス管、冷暖房の換気管など、わたしたちの暮らしのなかにはさまざまな管がつながれています。これらは大きな圧力がかかっても決して折れたり割れたり漏れたりしないように、頑丈に、美しく接続されています。ではなぜ美しい配管が必要なのでしょう。

「冷やす」技術を得意とする産業用機器・酪農機器メーカーのオリオン機械株式会社にうかがいました。

配管でもっとも求められるのは「壊れずに長く使えること」。特に医療機器系に使用されている現場では、機械が止まってしまったら検査や手術ができず、命に関わる大変な事態になりかねません。そのために、美しい配管や接合(ろうづけ)が必要になってきます。仕上がりが美しくないと管の酸化や腐食が進み、振動で折れやすくなってしまうのです。この技術は訓練して経験で培っていくものです。わたしたちは管だけでなく、技能も後輩や若手技能者につなぐことで、全国へと商品をつなげています。

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①美しいろうづけ。接合部の黒い酸化膜がきれいなハチマキ状になっているのがわかります。②接合部分がデコボコしており、ろうの回らないところが生じている(まんべんなくろうづけできていない)のがわかります。③酸化膜のつやがなく、ぼろぼろになっているのがわかります。この状態では強度が足りません。

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ろうづけを内側から見ると、きれいにろうづけされた銅管は内部まで美しい(上)のに対し、必要以上に加熱し過ぎた銅管は、内部が酸化して黒くなっている(下)のがわかります。また、銅管自体の機械的性質が低下します。

管をつなぐ技術はこんなところに生かされています

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エアコンは空気中に含まれる熱を増減させることで室内温度を調節しています。この調整に使われる「熱交換器」の直線状の配管に管をつなぐ技術(ろうづけしたU字管)が使われています。

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圧縮すると高温、減圧すると低温になる性質を利用した圧縮エアーは、温度管理にかかわる場所など、私たちに身近なとところで使われています。そんな高圧に耐えるためのステンレスの溶接にも、「つなぐ」技術が生かされています。

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一定温度にコントロールした水を循環させることでビルや工場など大型施設の水温を精度よく制御する装置「インバーターチラー」にも、つなぐ技術は使われています。装置の点検や交換がしやすいように、配管が下部分にまとめられているのがわかります。

取材協力

オリオン機械株式会社

感動をよぶ製品をめざして、冷凍機器・空圧機器・真空機器・精密空調/温調機器などの産業機器と、搾乳機・牛乳冷却機などの酪農機器の開発・設計・製造・販売・サービスを一貫して手掛ける長野県須坂市のメーカーです。

オリオン機械株式会社ウェブサイト

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