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日本に昔からある木の家を造るのが建築大工の仕事です。ノコギリの使い方やカンナのかけ方など、専門の道具の使い方を何年も練習して、はじめて一人前といわれます。また、木材は水気を吸ったり出したりして、曲がったり反ったりするので、木に対するさまざまな知識も求められます。
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家を建てる手順

家の土台となる基礎を作る職人たちの仕事が終わると、大工の仕事が始まります。まず、基礎の上に土台を設置し、その上に柱などの骨組みを組み立てていきます(「建前」と呼ばれる作業です)。バランスよく立つよう、組む順番を考えることが重要です。柱は垂直に、梁(はり)は水平になっているか、ひずみはないかを確認したら、屋根の骨組みを造り、家の構造を完成させます。次に、骨組が雨に濡れるのを防ぐため、屋根を作り、そのあと外装工事を行います。そして、水道やで電気といった設備工事を行い、床や内壁、天井などの内装工事をして、ドアや窓、電気器具などを取り付けて日常生活が問題なくできるようになると、竣工(工事の完了)です。
木材は、昔は大工が切ったり刻んだりしていましたが、今はプレカット工場と呼ばれる工場で機械を使って切られているので、木材を切り出すこと自体を大工が行うことは少なくなりました。

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大工の七つ道具

大工の仕事には、昔から欠かすことのできない「七つ道具」があります。

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家を支える大工の技「継手」と「仕口」

長さに限りがある木材で家を組むためには、木材を加工し接合しなければなりません。木材を継ぎ足して長くする接合を継手(つぎて)、木材が直交又は、斜交する接合を仕口(しぐち)と呼んでいます。継手、仕口には、単純なものから複雑なもの、強弱、意匠的なものまでさまざまな種類があり、長い歴史のなかで改良が行われて現代まで受け継がれています。もともとは金物(くぎ)のない時代に木のみで接合するために生まれた技術で、機械加工がほとんどできないため、手作業(手刻み)が中心になります。数多い継手・仕口のなかでいくつかをご紹介します。

継手(つぎて)

材木の長さを増すため、材を継ぎ足すときに使われる手法です。建築にはできる限り1本ものの長い材を使いますが、十分な長さの材木がないときに使われます。

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<主な継手手法>

腰掛鎌継ぎ(こしかけかまつぎ)

主に土台や桁に使われる、ごく一般的な継手方法です。下木を上木で押さえつけるように組みます。

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追掛け大栓継ぎ
(おっかけだいせんつぎ)

土台、桁、梁などの継手に用いられ、腰掛けかま継ぎよりも加工が複雑な分、強度があります。上木を横からスライドさせてはめ合わせます。

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仕口(しぐち)

2つ以上の材を、角度をつけて接合する手法です。土台と柱のつなぎ目や、梁と桁のつなぎ目など、それぞれの材を組むときに使われます。

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<主な継手手法>

大入れ蟻掛け(おおいれありかけ)

片方の木材の先に蟻ほぞ(凸)をつくって、他方の木材につくった蟻穴(凹)にすきまなくつなぎます。同じ手法で「腰掛け蟻継ぎ(継手)」にすることもできます。

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