第53回技能五輪全国大会が開催されました!!

2015.12.09 [ , , ]

 去る、平成27年12月4日(金)~7日(月)の4日間、千葉県幕張メッセを主会場として第53回技能五輪全国大会が開催されました。(一部職種については、競技を先行して実施されました。)長野県からは20職種51人の選手が出場し、熱戦を繰り広げました。
 初日の4日(金)は、幕張メッセイベントホールで開会式が行われ、競技は各会場において5日(土)、6日(日)の二日間、最終日の7日(月)は閉会式が行われ、各競技職種の上位入賞者の表彰がありました。
 長野県選手団の結果は、1位2名、2位1名、3位5名、敢闘賞9名、合計で17名の選手が入賞し、選手団としても中央職業能力開発協会会長賞を受賞するという好成績でした。
出場された選手の皆さん、選手を支えた関係者の皆さん、大変お疲れ様でした。ありがとうございました。

今回の大会で印象に残った点が3つほどあります。

 ○1つ目は、「冷凍空調技術」職種に出場したオリオングループ(オリオン機械株式会社・オリオン精工株式会社)の大活躍です。
 同グループは2009年第47回いばらき大会に初めて出場し、過去6回の出場で1位を取ることだけが叶わなかったのですが、7回目の出場となる今回、ついに1位を獲得したばかりか、1位から3位まで表彰台を独占(1位1名、2位1名、3位2名)。しかも、敢闘賞を含めれば、出場した6人全員が入賞し、オリオングループ以外の入賞者はわずかに1名ということで、まさに同グループの独壇場という結果となりました。
 出場した選手はもちろんですが、彼らを支えた関係者の皆さんに心からお祝いの言葉を贈りたいと思います。本当におめでとうございます。

 ○2つ目は、第50回大会に復活した「時計修理」職種の県勢3連覇(52回大会から本格復帰)です。昨年52回大会はシチズンマニュファクチャリング株式会社所属の牛山天晴さんが、今回はセイコーエプソン株式会社所属の相馬弘希さんが1位となりました。
「時計修理」といえば、かつて全国大会の上位大会にあたる国際大会で5連覇を達成した長野県の「お家芸」ともいうべき職種です。この職種に出場する県勢選手にとっては、「1位」を取ることが宿命付けられていると言っても過言ではなく、そのプレッシャーはいかばかりか推し量ることは困難というべきでしょう。
 こちらに出場した選手と、彼らを支えた関係者の皆さんに感謝の意を表すると共に、労いの言葉を贈りたいと思います。本当にお疲れ様でした。

 ○3つ目は、今回特にということではなく、この大会を目の当たりにして、毎回思うことなのですが、大会に参加した選手全員に対してです。
 表彰式でスポットライトを浴びた選手とは別に、多くの選手がその光を浴びることなく会場を去って行きます。53回目となる今大会は41職種に1,183人の選手が出場しました。
 年齢制限のある(23歳以下)この大会に出場する若い彼らにとっては、このような大きな大会で、観客の視線を感じながらの慣れない環境の下、自身をコントロールし、普段どおり、練習どおりに作業することがどんなに難しいかを感じたのではないでしょうか。競技における緊張と集中、燃焼と焦燥、終了後の充実感・達成感、その反対に喪失感や挫折感を味わった選手もいたことでしょう。また、出てしまった結果に対して満足する者もいれば、受け入れがたいと感じている選手もいることでしょう。
 けれど、学校を卒業し社会に出てみると、何かの競技に参加することによって、純粋にただひたすら、一つに打ち込むということはあまりないように思います。しかも、その行為に対し家族や友人、会社の先輩や同僚などからの支援や応援を、一身に受けることなどほぼないと言ってもよいでしょう。
 その場に立つことが出来ない者として、競技中の選手の傍らに立ち、彼らの行為をただ眺めるだけでしたが、そこにいる選手達を非常にうらやましく思いました。
 もし、今回の結果をとおして、選手自身の胸の内に、勝ち・負けがあったとするならば、勝者は勝者らしく誇らしげに、敗者は敗者らしく悔しげに振る舞ってほしいと感じています。
 それが、応援してくれた周囲の人々に対する感謝の気持ちを表す表現の一つになると思うからです。

最後に、「来年もこの大会に出たい」と話したある選手の声を聴き、ホッとすると共にうれしく思い、来年も彼らに会うことを楽しみにしたいと思っています。

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